「錠剤ってすごい!薬の中に隠された製剤の秘密」


こんにちは、キッサ薬局店主です。

みなさん、
「錠剤って、ただ薬の粉を固めただけ」と思っていませんか?

実は錠剤の中には、
有効成分(薬そのもの)以外にもたくさんの“添加剤”が含まれています。
錠剤すべてが有効成分というわけではないんですねぇ。

そしてその添加剤たちが
✅ 飲みやすさ
✅ 有効性の担保
✅ 副作用の軽減
✅錠剤の安定性
など、様々な工夫を支えているんです。

今回は「錠剤」の製造工程や、
どんな工夫がされているのか、
薬剤師の視点からわかりやすく解説します!


  1. 【錠剤の中には何が入ってる?】

錠剤の中身は:

✅ 有効成分(薬の成分)
✅ 添加剤(色々なサポート成分)

で作られています。

添加剤には:

・賦形剤 → かさ増し、形を整える
・結合剤 → 粉同士をくっつける
・崩壊剤 → 胃や腸でバラバラになりやすくする
・滑沢剤 → 打錠機で作る時の摩擦を減らす
・着色料 → 色付け
・コーティング剤 → 苦味を抑える、腸で溶けるようにする、ゆっくり溶けるようにする

…などがあります。

つまり“飲める形にするための支え役”がたくさん隠れているんです!


  1. 【製造の流れ】

錠剤作りは大きく:

  1. 混合(有効成分と添加剤を混ぜる)
  2. 造粒(粉を粒にして均一にする)
  3. 乾燥(水分を飛ばす)
  4. 打錠(圧縮して錠剤の形にする)
  5. コーティング(必要に応じて)

こんな工程で作られています。

→ 一粒の錠剤に「何工程もの手間」が詰まってるんです。


  1. 【添加剤が果たす役割】

■ 賦形剤
「有効成分が1mgでも、飲みやすい大きさにする」ための“かさ増し”
錠剤が小さすぎても飲みにくし、実際扱いずらくもありますよ
例:乳糖、トウモロコシデンプン

■ 崩壊剤
胃や腸で「ちゃんと溶ける」ようにする
バラバラにして溶けやすくします
例:カルメロースナトリウム

■ コーティング剤
✅ 苦い薬の味をカバー
✅ 胃で溶けないようにして腸で溶ける「腸溶性コーティング」
✅長く効果が持続できるようにする「徐放性コーティング」

→ 例えば「1日3回の薬を1日1回の服用で済むように「徐放コーティング」にしたり
→ 「舌に当たると苦い、苦みをマスキングする」ためにフィルムコーティングしたり

添加剤の工夫ひとつで“使いやすさ”が大きく変わるんです。


  1. 【製剤技術が支えている“当たり前”】

「1日1回で効く薬」
「数年当たり前に錠剤として形を保っている」
「子どもが飲めるシロップ」
「粉の流動性を確保し粉同士がひっつかないようにする」
→ 全部“製剤技術”の成果

もし添加剤や製剤技術がなければ:

✅ 毎日1日3回飲まなきゃいけない
✅ 飲みづらい粉をそのまま飲む
✅ 苦すぎて吐き出してしまう
✅ターゲットの部位に効き目を出せない
✅必要以上に副作用がでてしまう

…そんな“薬”だらけになります。

享受している当たり前には、積み重ねられた様々な知識と技術がつまっています。


  1. 【薬剤師として伝えたいこと】

薬局では「ジェネリックにしたら飲みにくい」と相談されることがあります。

→ 同じ有効成分でも、添加剤や製剤の工夫が違うことがあるんです。

だからこそ、
✅ 飲みにくい
✅ 粉が残る
✅ 匂いが気になる
など感じたら、遠慮なく薬剤師に相談してほしいです。

「薬を飲みやすくする工夫」は、
“飲む人”がフィードバックをくれるからこそ進化するとも言えます。


【まとめ】

一見シンプルな「錠剤」。
でもその中には、
飲みやすく・効きやすく・安全にするための“見えない工夫”がたくさん詰まっている。

「ただの粉じゃない」「ただの丸い粒じゃない」
そんな“薬の奥深さ”を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

製剤に関しては、医師よりも薬剤師の方が知識が確実にあるはずです。
気になったら薬剤師を使い倒してください(笑)


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